
岡山県ラグビー協会では、ラグビーと異なるスポーツ団体(バスケットボール)と共同で、スポーツフェスティバルを開催されました。
幼児期から小学生年代においては、それぞれの競技に特化した技術習得よりも、様々なスポーツを体験することで、競技にとらわれない、スポーツ全般に必要な基本的な動きを学んだり、それぞれの競技の楽しさや特性などを学ぶことが重要、という考えの下、それぞれの競技の垣根を越えて、共に学び合える環境を作ることを目的に行われました。
今後はバスケットボールに限らず、野球やサッカーなど、さまざまな競技の選手やコーチとの交流なども検討されるとのこと。スポーツの広がりが、地域の活性化につながる取り組みになるよう願います。
【岡山県ラグビー協会 普及育成委員長 段堂 雅信 様からのコメント】
バスケットボールキャンプ企画 NEXTDREAMの安藤さん、中江さんが交流されていた日本体育大学・伊藤教授の理論を実践されている小野澤宏時さんのお話を伺ったのが、昨年の1月でした。そこから1年以上の準備期間を経て、この企画がついに実現しました。
参加者からの参加費の徴収や、スポンサー企業の獲得、メディアへの広報など、運営面においても、他種目から多くを学ぶ機会となりました。
また、小野澤さんの指導の中では、野球・バスケットボール・ラグビーなど、それぞれの競技経験を持つ子どもたちの動きの違いに触れ、大変勉強になりました。
今回の企画に関わってくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
◆フェスタのフェスタの内容について
本イベントでは、「子どもや学習者が自発的に運動を工夫して学べるような環境(道具・空間・声かけ)やタスク(課題)を設定することが、子どもの主体性を引き出し、運動能力の向上や豊かな学びにつながる」という伊藤教授の理論を軸に、保護者や指導者が何を意識し、どのような環境を提供すればよいのかを考える機会となりました。
◇9:00~10:00
【保護者・指導者向け講習会】(講師:伊藤教授)
40名の保護者および指導者の方々にご参加いただき、講習を実施しました。
◇9:00~12:00
【小学生向けクリニック】(講師:小野澤氏、安藤氏、段堂氏)
ラグビー、バスケットボール、野球など、さまざまなスポーツクラブに所属する60名の小学生を対象にクリニックを実施しました。
アイスブレイクとして、学年順に並んだ後、円になって協力しながらの活動を行いました。その後、高専生がコーディネーターとなり、6チームに分かれて活動を開始。
「動きをそろえる」というタスクに苦戦しながらも、チームごとに工夫を凝らし、徐々に息が合っていく様子が見られました。
チームとしての一体感が芽生えたところで、ボールを使ったタスクに挑戦しました。
「2回タッチされないように、チームで10回ボールを回す」というルールを起点に、子どもたちの様子に応じてルールを追加していきました。
「勝つにはどうすればよい?」「見ている人は何をすればよい?」「1・2年生の得点は2倍にしてみようか」など、ルールが変化するたびに、自然とチーム内で作戦を話し合う姿が印象的でした。
コーチ陣は、「どうしたらうまくできる?」と問いかけ、答えを教えるのではなく、子どもたちの工夫やアイデアを引き出し、それを認めて称えることを徹底していました。
子どもたちが主役となり、活躍する場面が多く見られました。
◇13:30~16:00
【指導者向けクリニック】(講師:伊藤教授、小野澤氏)
小学校・高校の教員やスクール指導者など、幅広い層の参加者が集まりました。実際に体を動かしながら、指導法を学びました。
マーカーを使ったコーディネーショントレーニングでは、立ち位置やパターンを変える、チームで動きをそろえるなど、タスクに変化をつけながら実施しました。また、ボールの種類を変えることで戦術が変化するなど、実践的な工夫を学ぶ機会となりました。
最後に行った「三目並べ」「四目並べ」では、本気で勝ちにいくために、チームでの話し合いが活発に行われていたのが印象的でした。
参加者の声
【子どもたち】
・みんなと仲良くなれてうれしかった。他の種目の人から学ぶことも多く、今後に生かしたい。
・チームごとに作戦を考えるのが楽しかった。作戦がうまくはまったときは気持ちよかった。
【保護者】
・伊藤先生のお話を聞いていると、まるで普段の自分を見られているようで、いろいろと考えさせられました。親も一緒に成長していけるように、これからはもっと子どもの話を聞いてあげようと思います。
・「自分が正しい」という思い込みの枠を外して、親も子どもも一緒に考えながら行動していきたいと思いました。
・海外と日本のコーチングの違いについて知ることができました。日本でも少しずつ変わってきていると思いますが、子どもを見守る親の姿勢も変わっていく必要があると感じました。
【指導者】
・理論と実践の両方を学ぶことができ、大変勉強になりました。これまで「答えを教える」指導をしていたことを反省し、早く現場で実践したいと思いました。
・子どもたちにラグビーを教えることも大切ですが、プレイヤーが主体的に取り組める練習へ、どう導くかが重要であると感じました
■イベント概要
【名 称】:スポーツフェスティバル
【主 催】:岡山県ラグビーフットボール協会
【共 催】:津山ラグビースクール、NEXTDREAM・鶴山さくらバスケットボールクラブ
【後援・協力】:津山市 津山市教育委員会 津山体育協会
【開催日】:2025年3月30日(日)
【会 場】:津山市総合体育館および剣道場 岡山県津山市山北669
【参加者】:小学生~社会人 約150名
以上